KaQiita

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目標を立てる技術〜 SMART な目標が必ずしも良い目標ではない〜

はじめに

「目標」を立てる機会というのは色々あると思いますが、この「目標」というものについて最近読んだ「Think clearly」という本に色々書かれており、自分の考えが整理されたので記事に残しておこうと思います。

目標を立てる理由

そもそも何故目標を立てるのかを考えていくと、2 つの理由があると考えています。

  1. 自分の望む結果を得るため
  2. 目標を達成することで人間は幸福度が上がるため

よく「カクテルパーティー効果」や「流れ星が流れる間に 3 回願い事を言える程強烈に自分の願い事を意識しておくと願いが叶う」というような話がありますし、目標を一つずつクリアして成長していくということはとても面白いことのはずです。

どちらも実際に心理学の研究でも実証されています。

アメリカの研究チームの調査で、17 歳と 18 歳の学生に「経済的な成功をどれくらい重視するか」と質問して数十年間追っかけて調査を行うと、経済的な成功をより重視する学生群の方が所得額が高くなっていたそうです。これは目標の有用性が示されています。

ただしもちろん所得額が多いことが必ずしも幸福度の高さを表すわけではありません。実際にこの学生たちの調査でも所得と幸福度に関連性は見られませんでした。

では幸福度に関係があったのは何かというと「高い所得を得るという目標を掲げて自分の目標を実際に達成できたかどうか」というものでした。自分が立てた目標を達成できたかどうかというのは自己有用感を高めることにもなり、幸福度を高めることができたのです。

良い目標とは

以上の話を踏まえると、良い目標とは以下の特徴を持っていると言えます。

  1. 自分の望む結果に直結している
  2. 達成可能である

達成可能な目標を一つ一つしっかり達成していく、そしてその目標を達成していくことで自分の望む結果に繋がっていくというのは紛れもなく良い目標だと言えると思います。

ただし一般的には目標は SMART に立てると良いと言われています。

  • S:Specific(具体的に)
  • M:Measurable(測定可能な)
  • A:Achievable(達成可能な)
  • R:Result-oriented(成果に基づいて)
  • T:Time-bound(時間制約がある)

「達成可能」というのはまさに「A:Achievable」で、「自分の望む結果に直結している」というのは「R:Result-oriented」「T:Time-bound」の部分に当たります。

この部分は賛成ですが、「S:Specific」で「M:Measurable」な目標が良い目標かと言われると私の考えでは時と場合によると思います。

明確な目標の弱点

元々の「目標を立てる理由」に立ち戻ってみます。

具体的には「目標を達成することで人間は幸福度が上がるため」の部分です。

目標がとても明確、つまり Specific で Measurable だとその目標が達成したかどうかが白黒付きます。

仕事でチームで成果を残すためのマネジメントとして数値目標を追うというような場合にはこの目標の立て方は適しているかもしれませんが、新年に「今年はこんな一年にするぞ」というような自分の人生をよりよくするために立てる目標では、あまり明確な目標を立てると達成できなかった際に幸福度や自己肯定感などが下がって良いことがありません。

自分の人生をよりよくするために立てる目標はあえて少し曖昧な目標にしておくと良いです。

すると、たとえ少し達成できていなかったとしても私たち人間の脳は都合よく事実を解釈するものなので、少々目標が未達でも達成したと思い込んで幸福度が上がる確率が明確すぎる目標を立てた場合より上がります。

また一見明確な目標が必要だと思われるチームのマネジメントでも、明確な数値目標だけでなく少し曖昧な状態目標についてもメンバーに持ってもらうことが大事だと考えています。

今結果を残すことも大事ですが、マネジメントする側の責任としてチームのメンバーを長期的に育てるというのもあると思います。

その際に明確な目標があると短期では上手くいきますが、目標未達が続くメンバーが出てくるとそのメンバーの自己肯定感はどんどん下がり結果が出にくくなってしまいます。

そのようなことにならぬよう、「3 年後の状態目標」など少し曖昧にならざるを得ない目標についても話し合っておいて「今月は未達になってしまったが、先月と比較してこういうトライを行ったおかげでこういうことはできるようになっている。状態目標に近づいているね。」というコミュニケーションを取ることが大事だと思います。

このように明確な目標のメリットとデメリットをちゃんと理解して使い分けていくことが必要です。

終わりに

今回も「Think Clearly」という本から刺激を受けて書いてみました。おすすめの本なので是非一度読んでみてください。